今回はヴィック・チョウの名前&愛称についてご紹介したいと思います。
ヴィックの本名は中国語で周育民ですが、「育」の字を同じ発音の「渝」に変えて「周渝民」を芸名にしています。大ヒット映画『レッドクリフ』の主人公「周瑜」が好きで、でも全く同じ字を当てるのは気が引けて「渝」を選んだという説をどこかで目にした気もするのですが、真偽のほどは明らかではありません。
そして、ヴィックの場合、忘れてはならないのが、名前以上に有名なニックネーム「仔仔(ザイザイ)」。幼い頃にまるまる&ぷくぷくだったことから、ヴィックを可愛がっていたおじいちゃんが「子豚ちゃん」という意味を持つ「仔仔」とニックネームをつけたと言われており、今もそれ愛称として広く認知されているのです。ヴィック自身、例えば2008年7月に北京で行われたユニセフ主催の四川大地震チャリティーイベントという少々厳粛な場面で挨拶した際も、黒いスーツ姿&少し緊張した面持ちで「我是仔仔、周渝民(私は仔仔=周渝民です)」と愛称+名前をセットで自己紹介してから話し始めたほどで、単なるニックネームの域を越えています。
読み方は「ザイザイ」、最初の「ザイ」を強く低めの音程で、次の「ザイ」は最初より軽く、音程を上げて発音すると中国語らしくなります。音の高低(=声調)はちょっと難しいのですが、発音はカタカナの「ザイザイ」と似ているので、中国語が苦手な日本のファンが声調を気にせず呼びかけても、ヴィックはちゃんと聞き取ってくれているようです。
芸能界の同業者、ファン、メディアも「仔仔」の愛称で呼ぶ場合が圧倒的に多く、新聞記事でさえ「仔仔(周渝民)」のように並べて書いているケースが大半ですが、友人や熱心なファンがより親しみを込めて呼ぶ場合は、「仔」(この場合は低く長めに「ザーイ」と発音する)と1文字に省略することもあります。
ところで、中華圏のスターには「○仔」という愛称を持つスターが多く、代表的なところでは、華仔=アンディ・ラウ、偉仔=トニー・レオン、古仔=ルイス・クー、安仔=アンディ・ホイなどがいます。以前、ヴィックがサードソロアルバム『I'm not F4/我不是F4』をリリースした頃に「これからは周仔と呼んでほしい」と発言したことがありますが、周囲も本人も依然として「仔仔」を使い続けているので、いつの間にか立ち消えになってしまった感がなきにしもあらず、です。
ただ、日本のメディアは原則として「ヴィック・チョウ」と表記する決まりになっており、F4が日本でブレイクすると、英語名の「ヴィック」も少しずつ浸透してきました。会社形式を模した公式ファンクラブでも自ら「ヴィック社長」と名乗っており、日本のイベントや会見では、「ボクはヴィックです」と日本語で自己紹介するのが定番になっています。
F4のメンバーでは、ジェリーとケンが記者会見など少しフォーマルなシチュエーションでは「仔仔」、カジュアルなシーンでは「仔」と呼ぶことも多々ある気がします。ケンはF4ジャパンツアーでヴィックに立ち位置を指示していたときも、ステージ上で「仔」と声をかけていましたが、男前に勢いよく発音するのがケン流。ジェリーは以前、取材でヴィックの話をした際、「ザ~~イ」と少し甘えたような声でいつもより長く発音したのが今も耳に残っています。その口調から可愛い弟が大好きでたまらないという様子が伝わってきて、とても微笑ましく感じたものです。
一方、ラッパーな(!)ヴァネスは、日本の取材などでは「ヴィック」と呼ぶこともありますが、基本的には「仔仔」、あとの2人に比べてリズミカルに弾んで発音するのが特徴。2文字の方がリズムが取りやすいのか、個人的には「仔」と1文字で呼んでいるシーンを目にしたことはありません。