シルヴィア・チャン、チェン・ボーリンが「ブッダ・マウンテン」で東京国際映画祭に登場!

シルヴィア・チャン、ファン・ビンビン、チェン・ボーリン主演の「ブッダ・マウンテン」が第23回東京国際映画祭コンペティション部門に出品されました。ワールドプレミア後のQ&Aと公開ゲスト会見には、リー・ユー監督、プロデューサーのファン・リー、出演俳優を代表してシルヴィアとボーリンが出席、アジアンハナでは、この2つをともに取材、詳しくお伝えいたします。

 

まずは10月24日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ・スクリーン7で「ブッダ・マウンテン」がワールドプレミア上映された後、シルヴィア・チャン、チェン・ボーリン、リー・ユー監督、ファン・リーPDが登壇、会場からの質問に答えるQ&Aに臨んだ時の模様からどうぞ。

 

⇒26日に行われた公開ゲスト会見の模様はコチラ

 

bd1.jpg(写真左からプロデューサーのファン・リー、リー・ユー監督、シルヴィア・チャン、チェン・ボーリン)
 
 
最初にひとことずつお願いします。bd3.jpg
 
リー・ユー監督 「東京国際映画祭に初めて参加でき、また大勢の皆さんに私の映画を観ていただき、嬉しく思います。この作品は独特の味わいのある映画ですが、東洋人であれば理解していただけるのではないかと思います。主演のファン・ビンビンは韓国で撮影中、おデブちゃんの役をしていたフェイ・ロンは、外国に行くにはパスポートが必要なことを知らず、申請していなかったという可愛い理由で(笑)、この場に立てず残念です」
 
 
 
bd4.jpgプロデューサーのファン・リー 「日本には何度も来ていますが、私が制作に関わった映画が日本で上映されるのは初めてです。コンペティション作品に選んでくださった東京国際映画祭、そしてお金を払って観に来てくださった皆さんに感謝します」
 
シルヴィア・チャン 「本日が『ブッダ・マウンテン』の正真正銘のワールドプレミア。大きなスクリーンで初めて上映され、私も初めて観ました。この作品は重いテーマが描かれていますが、撮影現場はとても楽しく、スムーズに作業が進みました。監督とスタッフ、出演者のチームワークが良く、あうんの呼吸でわかり合えていたからです。きょう映画を観ながら、和気あいあいとした雰囲気を懐かしく思い出しました」
 
bd2.jpgチェン・ボーリン 「みなさん、こんにちは。じゃなくて、こんばんは(笑)。北京語でいいですか?(ここまで日本語)。シルヴィアさん、ファン・ビンビンさん。フェイ・ロンさんと共演できて幸せでした。そして、僕にとって特別だったのは、プロデューサーのファン・リーさんが僕のお父さん役だったこと。プロデューサーを罵ったり、殴りかかるなんて、刺激的でしょう(笑)? しかも、ストーリーの展開がそうなっているから、正々堂々とやれるんです。なかなかできない体験ができました」
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Q. 撮影でいちばん大変だったのは?bd8.jpg
 
シルヴィア・チャン 「撮影そのものは、さほど大変ではなく、いちばん難しかったのは、このオファーを受けるかどうか決めるまで悩んだ過程でしたね。最初は、受けないつもりだったんです。私が演じるチャン・ユエチンは重苦しい雰囲気の女性で、うまく表現できるかどうか不安でしたし、精神的に自分がこんな沈み込んだ役柄に耐えられる自信がなかったからです。それで監督、プロデューサーと長い時間をかけて、ストーリーの解釈について話し合いました。最後は死ぬのか死なないのか、自殺を選ぶのか選ばないのか、映画のラストはどんな心情だったのか。私自身も母なので、彼女の境遇に心が痛みましたし、納得がいくまで話し合って出演を決断したんです。この期間がいちばん大変でした」
 
 
bd9.jpgチェン・ボーリン 「僕が演じたディン・ボーは、性格的に自分とあまり共通点のない青年でした。話しをするのが好きではなく、クールで、恋人に自分の気持ちをうまく伝えられない。性格がまったく違う人物に入り込むまでが難しかったです。また、ディン・ボーは成都に住んでいて、四川訛りの若者言葉を話します。僕は台湾訛りがあるから、それを四川風に矯正するのが大変で、言葉に気をとられすぎて、監督から要求された演技にすぐ応えられなかったこともありました。ただ、全体的には危険なシーンもあったんですが、監督は安全を確保し、心地よい環境を作ってくださったので、特に大変と感じることもなく快適に撮影できました」
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Q. 途中まで観た段階で予想した結末と違いました。監督とプロデューサーは結末をどう解釈していますか?
 
リー・ユー監督 「結末は敢えてはっきりと描きませんでした。映画は観る人によって、いろんな解釈があっていい。とんでもない想像をする人がいても構わないと思っています。むしろ、白黒ハッキリつける映画は失敗作ではないでしょうか。この映画の参加した人でさえ、解釈が分かれていますが、このように結末を自由に考えられる余地を残しておくのが、映画の魅力だと思います。シルヴィアさんの経験と才能に裏付けられたすばらしい演技によって、私が当初に想定していたよりも想像の範囲が広がり、このチャン・ユエチンという人物がよりリアルで生き生きとした女性になりました。ボーリンの演技も想像以上で、実際のキャラクターと全く違う人物を作り上げてくれました。おふたりには尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです」
 
ファン・リーPD 「女性と男性では解釈にも違いがあるのだと思います。僕はリー監督と共同で脚本も担当しましたが、やっぱり考え方が異なり、議論を重ねました。僕は結末を愛だと捉えています。中国も日本も仏教を信仰する国ですから、転生の概念は理解していただけるのではないでしょうか。人は3万回生まれ変わりますが、愛は永遠です。愛があるからこそ命があるのです」
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◆ブッダ・マウンテン
監督/脚本: リー・ユー
プロデューサー/脚本: ファン・リー
キャスト: シルヴィア・チャン、ファン・ビンビン、チェン・ボーリン、フェイ・ロンほか
 
<Story>
ティン・ボー(チェン・ボーリン)、ナン・フォン(ファン・ビンビン)、太っちょ(フェイ・ロン)の3人はルームメイト。高校は卒業したものの、親に反抗して大学の入学試験を拒否し、アルバイトで食いつないでいる。アパートの取り壊しがきっかけで、京劇の元歌手チャン・ユエチン(シルヴィア・チャン)の家を間借りすることになる。最初は冷たい関係だったが、次第に交流が深まり、3人はチャンの過去の秘密を知ってしまう。それが予期せぬ出来事へとつながり、彼らを成長させ、チャンを含めた4人の理解を深めていく。やがて彼らはそれぞれの運命を受け入れ、前進する可能性と力を見出していくが……。

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