ヤン・ヨンヒ監督の実体験を基にオリジナル脚本として執筆したフィクション映画「かぞくのくに」が8月4日公開初日を迎え、立ち見が出るほどの人気ぶりとなりました。
上映後、主演の安藤サクラ、井浦新、ヤン・ヨンヒ監督が舞台挨拶に登壇しました。
Q初日を迎えた感想は?
安藤「昨年の夏に撮影したのですが本当に暑くて……。今日初日を迎えることができて嬉しいです。監督の思いが世界に向けて発信されている作品です。どんどん届いてほしい・・・。」
井浦「先日はジャパンプレミアが行われ、今日無事初日を迎えることができ、この作品が歩き出した記念日となりました。みなさん、この作品で何かを感じることができるでしょう。どんどんみなさんの周りに伝えてください」
監督「ベルリンの時より緊張する一週間でした。今日、初日にどれだけお客さん来てくれるか心配でした。たくさん来てくれてありがとうございました。去年の夏はみんな汗まみれでがんばりました。この日が迎えられて本当に良かった。私はこの作品を作ることによって、家族や兄と会えなくなりましたが、二人に会うと分身をみ見ているようで嬉しいです」
安藤「監督のためにも、二人はどんな時も仲良くしないといけないですね」
Q映画撮影のエピソードは?
安藤「久しぶりに映画関係者のみなさんに会うと、いろんなことが思い出されますね。なんだろう」
井浦「一番最初のシーンは覚えていますか?」
安藤「車の中のシーンでしたね。それから二人の部屋。撮影初日は二人の呼吸が合いませんでした」
監督「みんなで悩んで撮影は次の日にしました。そうしたらサクラちゃんが”リエはお兄ちゃんをずっと見ていればいいんですね”と言って、その時私もやっとそうだとわかりました。それから撮影が順調に進みました」
安藤「それからはもう暑くて、食べないとやっていけなくて……。たくさん食べました」
監督「クランクインが昨年の8月20日。猛暑から酷暑に変わったんですよ」
井浦「撮影中、カメラも暑さで壊れました。氷で冷やすわけにもいかず(苦笑)」
安藤「暑い中、さらに演技で悩むから頭から湯気が出ていました(笑)」
井浦「二人の距離感に悩んだよね。最初会ったときに抱きつくような関係かやはり距離感のある関係か」
監督「私が体験した兄との思い出を話すと、二人はそれを吸収して、どんどん演技が変わっていきました」
Qこれからこの映画を観る方にメッセージをお願いします。
監督「帰国事業とか北朝鮮とか、在日とか、何もわからなくていいと思います。勉強しようなんて思わなくていいです。この映画を観て悲しかったとか苦しかったとか、何かを感じていただければ、それで十分です」