2PM、Wonder Girlsを送り出したJYPが育て、国民的グループと言われた『g.o.d』。そのヴォーカリストとして愛されてきた元祖・微笑天使、ソン・ホヨンが、2012年7月22日、品川ステラボールにて、東京では久々となるソロ・コンサートを開催しました。
ソロ歌手としては無論、ミュージカル俳優としても活躍の場を広げ、最近では実力派ポップ歌手がオペラに挑戦し実力を競うTV番組「オペラスター」で3週連続優勝を遂げています。
今回は生バンドをバックに自らのヒット曲の他、5曲もの『g.o.d』の名曲を随所に織り交ぜ、コンサートを盛り上げました。さらにKARAやプレスリーなどポピューラーな楽曲も選択して観客を楽しませる工夫も盛りだくさん。アンコールではカンツォーネも披露して、進化を続ける歌手、ソン・ホヨンを印象付けるコンサートとなりました。
ライブはホヨンのダンス曲『Call me』で幕け。ダンスをしながらも、『殺人微笑』と言われた魅惑の微笑みが随所にあふれます。2曲目に『g.o.d』の楽曲の中でも最高にノリの良い『Friday Night』が流れると、会場は早くも沸点に。その後『反対がひかれる理由』『普通の日』とのっけから3曲も『g.o.d』楽曲が続き、ファンは嬉しい驚きにはじけました。
ステージにキーボードが運ばれ、『泣く』をしっとりと引き語ります。『I Know』途中でキーボードから立ち上がるとバラード曲「刺」や、自身の作詞・作曲の「空に私の心が」をじっくりと聞かせました。
「ソン・ホヨンの細々した日常」という楽しい映像を挟んで、ダンサー、ラッパーと揃って体操服姿で登場。ステージを元気に駆け回るメドレーその1が始まりました。ホヨンは自ら頭に水をかけ、全身ビショ濡れで歌い踊ります。『g.o.d』デビュー曲『お母さんへ』やNORAZO『スーパーマン』では、客席も一緒にジャンプしました。
ステージに椅子が並び、ギター、鍵盤ハーモニカの伴奏での軽やかに心躍る洋楽のメドレータイムとなりました。締めは予想外のKARAの『Mr.』。ヒップダンスのお手本をチラリと見せたホヨンは、客席に降りてファンの手を取ってヒップダンスをリクエスト。ファンを時にはリードし、時には拍手で応援しつつ会場をぐるりとまわりました。
「(あまりに楽しかったから)次は真剣に歌わなきゃならないのに」と困った表情を見せて歌い出したのはドラマ『太陽を抱いた月』のOST。カラオケでもよく歌うお気に入りだそうです。
「日本でもファンサイトをオープンします。たくさん遊びに来て下さい」「次は新しいアルバムを持って日本に来たいと思っています」と嬉しい話の後、『私をちょっと見てて』を歌いながら再び客席へ。なんとファンが立ち上がった椅子の上を移動します。急遽握手タイムとなりました。多くのファンが間近でホヨンを見つめ、触れ合いを楽しみました。
『気持ち良い想像』でファンと楽しく大合唱。最後に「僕はすごく楽しかったです。みなさんはどうでしたか?」「いつも日本に来ることができなくて申し訳ないと思っています。今後はたくさん機会があると思います。僕は日本では始まったばかりの新人ですから、全力でがんばります」と挨拶しました。
アンコールではダブルのスーツに身を固め、カンツォーネの『無常の心』を直立不動で披露。さすが「オペラスター」3週連続優勝だけあって、見事な実力です。最後は「また日本で会いましょう」「ありがとう」を繰り返し、『殺人微笑』を振りまいて舞台袖へと消えていきました。
ライブ終了後、囲み会見が行われました。ソン・ホヨンは疲れも見せず、笑顔で登場しました。
―今日の感想をお願いします。
バンドのメンバーとたくさん熱心に練習をしてきたので、一日で終わってしまうのがとても残念でなりません。久しぶりに日本に来ましたが、もっとやりたい気持ちです。
―帰国後、制作に入る新しいアルバムについて教えて下さい。
隠すことは何もないんですが、まだ1曲はすでに終わっていますが、タイトル曲が決まっていないので、今も曲捜しの最中です。今も僕らの曲探しの担当は、僕がここにいる間も
曲集めをしています。曲が決まればすぐに制作が始まると思います。
―ハードなダンスにも息も乱さず歌われますが、特別なトレーニングをされていますか?
特別なトレーニング等はしていませんが、g.o.d時代からずっとライブをやってきています。ステージをたくさんやって来たことがトレーニングにもなってきたのだと思います。
―そろそろ適齢期ですね。同じg.o.dだったキム・テウさんもご結婚され、お子様もお生まれになりましたが、ホヨンさんのご予定は如何ですか?
一番上の兄(g.o.dのリーダー、パク・チュニョン)が44で、まだ結婚していないので、僕もまだ大丈夫だと思っています。今は毎日が始まりで、僕は駆け出しだと思ってがんばっていますので、まだ年をとったとは思っていませんし、その分愛嬌もふりまいています。でもテウが羨ましくはあります…。(笑)
―ミュージカルにも出演されていますが、今後はどの分野で活動されますか?
ミュージカルは、これまでに3つやりました。これまでにいろんな分野をやってきましたが、ひとつの分野に絞った方がいいのではという気持ちもありました。ミュージカルは大好きですが、今はやはり歌手活動に力を入れて、余裕があればミュージカルもやろうと考えています。選り好みをしているのではありませんが、お話を頂きながらお断りしたお話しも多くて残念に思っています。
最後に「ソウルのお気に入りの場所を教えて下さい。どこに行けばホヨンさんがいますか?」という質問がでましたが、ホヨンは「ソウルにいらしたら、タッカルビ(鶏肉を野菜と一緒に甘辛く炒め、最後のご飯を入れて頂く料理)を食べてみて下さい。美味しいですよ。僕はどこにいるかは、秘密ですよ」と笑顔でサラリとかわしました。質問した記者もそれ以上突っ込めず苦笑い。満32歳になろうとも、ホヨンの「殺人微笑」は健在でした。
(C)写真 エヌケイコム
<セットリスト>
1 Call me
2 Friday Night(g.o.d)
3 反対がひかれる理由(g.o.d)
4普通の日(g.o.d)
5 泣く
6 I Know
7 きれいで憎かった
8 棘
9 空に私の心が
10 哀愁(g.o.d)
11 君がいなければならないところ
12 メドレー その1
海の王子(パク・ミョンス)~僕は君が好き(チョ・ヨンピル)~スーパーマン(Norazo)~お母さんに(g.o.d)~旅行へ行こうよ(チョ・ヨンピル)
17 メドレー その2
20 君ひとり(キム・スヒョン)
21 私をちょっと見てて
22 気持ち良い想像
アンコール 無常な心