新鮮な感動を呼んだ4月の大阪公演に続き、5月31日ついに東京公演の幕が開いた。この日のキャストは、ジンハ役にソンジェ(超新星)ユンジェ役にホ・ヨンセン(SS501)。万来の観客を迎えて、開演のベルが鳴った。
厳しい境遇の中でも明るくたくましく生きる青年ジンハと、重い病と闘いながらも前向きに生きるソルヒの恋物語を軸に、ソルヒを見守る医師・ユンジェの切ない恋と、ジンハの弟ジュンと妹ウンハの懸命に生きる姿がさわやかな感動と涙を与えてくれるミュージカル作品『Summer Snow』。2000年に放送された同名ドラマが、韓国で感動のミュージカルに生まれ変わった。
客電が落ちた会場にソンジェの「ねぇ、サマースノーって知ってる?」という日本語のモノローグが響く。淡々としているが故に直に話しかけられているように感じるソンジェの言葉に、観客は一挙に舞台の世界にひっぱりこまれてしまう。
両親を突然の事故で失い25歳で一家の大黒柱となり、稼業の自転車修理屋に忙しい長男ジンハ。弟妹には口うるさく、だが周りの人に心優しいジンハの造形を、ソンジェはカジュアルなファッションと無造作なヘアスタイルで完成させた。アイドルグループ・超新星のメンバーとは全く違ったソンジェの登場に、観客の期待が膨らむ。その期待に応えるように、ソンジェは切れ味鋭い圧巻のダンスで熱狂的な歓声を、コメディタッチの集団舞踏で笑いを、切なく歌い上げるラブソングではため息を生み出す。まるで新たなページを開くように、ソンジェの魅力を次々と見せてくれた。
恋敵となるユンジェ役を演じるヨンセンは、エリート医師らしいスマートさと、愛するソルヒを見守る温かな瞳が印象的。内に秘めた熱い想いを伸びやかな歌声を通して訴える。また台詞も間の取り方が絶妙で、外国語である韓国語だと忘れてしまうほどに演技に引き込まれてしまう。
物語は、ジンハの人柄と家族を紹介しつつ、多くの複線を引きながら進む。大阪公演と比べて人間関係がわかりやすくなり、話もテンポよく展開していく。字幕もよりわかりやすく、舞台装置や照明も進化を遂げて舞台を盛りあげる。
脇を固める俳優陣は日本語がすっかり上達し、簡単な台詞だけではなく多くの歌が日本語で歌われたことにはびっくり。ユーモアあふれる演技に、随所で笑いが起こり、会場全体がひとつになって和んだ。
物語は1部の終了直前に急展開。そして2部は怒涛の勢いで進んでいく。ジンハとソルヒの恋の行方は…?ウンハの人生は?最後まで目が離せないストーリーと全編にわたって散りばめられた音楽とダンスに時間を忘れ、2時間40分の公演はあっという間に終わってしまった。
カーテンコールでは出演者が勢揃い。ソンジェとヨンセンの友情を感じるシーンもあり、スタンディングオベーションの中、初日の幕が下ろされた。公演は休演日なく6月15日まで。多彩なキャストがあなたのおいでをお待ちしています。
■公演タイトル:韓国ミュージカル『Summer Snow』
■公演日時:2013年5月31日(金)~6月15日(土)全30回
■会場:赤坂ACTシアター(港区赤坂5-3-2 赤坂サカス内)
◆オフィシャルHP http://summer-snow.jp/