海老蔵、中谷美紀登壇!『利休にたずねよ』完成披露会見&完成披露"おもてなし"試写会舞台挨拶

第140回直木賞を受賞した山本兼一の同名小説を映画化した『利休にたずねよ』がいよいよ12月7日(土)より全国公開。400年前、茶の湯を大成させ「おもてなし」礎を築いた千利休の一生を描いた今作は、9月、第37回モントリオール世界映画祭にて最優秀芸術貢献賞を受賞。世界が認めた本作の公開に先駆け、11月5日(火)に「完成披露会見」と「おもてなし試写会」が行われました。

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まずは典雅な和空間にしつらえた舞台に主演の市川海老蔵はじめ、中谷美紀、大森南朋、伊勢谷友介、クララ、田中光敏監督が華麗な和服姿で勢ぞろいした「完成披露会見」からご覧ください。
 
市川海老蔵(千利休):どうも、市川海老蔵です。今日はお忙しい中、お集まりいただきましてまことにありがとうございました。今回は千利休を演じさせて頂きました。どうぞ宜しくお願い致します。
中谷美紀(妻、宗恩):慎ましい女性を演じさせて頂きます。本当の私はおてんば娘なのですがこのようなお役を頂いて大変光栄に思っております。宜しくお願い致します。
大森南朋(豊臣秀吉):皆さん、お集まり頂いてどうもありがとうございます。今回は木下藤吉郎から関白秀吉までを演じさせてもらいました。非常に難しかったですが、楽しんでやらせていただきました。是非、ご覧下さい。riIMG_0639.jpg
伊勢谷友介(織田信長):今日は皆様来て頂きまして、ありがとうございます。海老ちゃんとは7年振りの共演ということで、どんな感じで海老ちゃんが来るのかと思いきや、非常に意識高い姿を見せて頂いて、互いに大体似たような歳なんですけど、僕は本当に海老ちゃんの成長を感じまして、楽しい時間を過ごさせて頂きました。僕はたった3日しかやってないんですけど、3日以上宣伝活動を頑張っております(笑)。今日は宜しくお願い致します。
クララ(高麗の女):こんばんは、私はクララです。韓国の女優です。この映画で高麗の女を演じました。この映画で美をいっぱい発見しました。皆さん、私の映画知って宜しくお願いします。
田中光敏監督:今日はありがとうございます。すばらしいキャストとスタッフ一丸となって今日の製作発表に至りました。今日は宜しくお願い致します。
 
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 ――モントリオール映画祭でも日本の美が認められた形になったかと思いますが、皆さんの思う日本の美は?
 
海老蔵:そうですね、日本人というのは僕が思うには何もない余白を楽しむことを美の中に盛り込んでいる珍しい人種だと思います。目の前に見える絵とか色彩、またその形というのを楽しむのは比較的全国共通だと思うんですが、例えばお軸の中でも墨で月が描かれたとしたら、その余白、何もない部分を想像すると。そういったところに日本人ならではの美意識があるのではないかと思います。
 
中谷:今、全く同じ事をお伝えしようかと思ったんですが、海老蔵さんの仰る通り引き算の美学というのでしょうか。あと、精神的な美のことでお話するならば謙譲の精神というものが美しいと思います。
(ずっと中谷さんの話を頷きながら聞いている海老蔵さん)
 
大森:いや、僕みたいなものが日本の美を語るのもどうかと思いますが、モントリオールでもこの映画が評価されるというのは頼もしいことであり、太秦東映が作る映画の中でそういう評価を頂くという事は今後オリンピックもありますし、外国の方にそういうことが伝わっているという事を一人の日本人として喜んでおります。美を語るにはまだ少し早すぎますのでその辺はご了承ください。
 
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伊勢谷:大森くんにそう言われてしまうと、やりにくいですが、僕なりのものとしては「足るを知る」と言う言葉があって、意外と日本人がすでに忘れつつあるというか、、70億人の人類が消費をし続けて未来が危うい状況になっている今、この「足るを知る」を知った上で自分の生活がミニマルになっていく形というのは利休さんもこの映画の中で表現されている一つだと思うんですけど、僕はこれはもう日本が誇れることですし、同時にこのことが伝わる事でいろいろ社会が変わってくる形になるんじゃないかと思います。
クララ:私は個人的にも日本によく来るのですが、なぜこんなに日本に惹かれるのかという事を考えると、そこに韓国人の眼から見た日本の美というものがあるのだと思います。日本は街一つとってみても、とても整っているし、日本に来るとゆったりした気持ちになるし、満たされます。日本は歴史に中心があるように感じます。日本の美はそういうところからきているのではないでしょうか。
 
監督:美しさとは自分らしさであると思います。その「らしさ」というものを失った瞬間に多分美しさはなくなるのではないでしょうか。日本も日本人らしく、どう生きていくかが大切だと思います。
 
――前回の完成報告会見時に、中谷さんから海老蔵さんを評して「平成の狼藉者」という名言が飛び出しましたが、今回勢揃いされている皆さんから海老蔵さんは?
 
 伊勢谷:今回、7年振りの共演ですが、僕も以前共演したときに中谷さんのように「平成のうつけ者」と呼んでいました。それが今ではもう37歳?35歳か、、になり今回、変わっているかと思っていたんですが、僕が楽屋にいると必ず遊びに来てくれて、まるで自分の控え室のようにくつろいでいる。それも嬉しかったし、「平成の狼藉者」ではなかったです。
 
海老蔵:ありがとうございまーす。(照れる)
 
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大森:そうですね、歌舞伎界も背負って立っていくし、今までのいろんなエピソードも聞いておりますが、現場での初日に会った時に、その佇まいというか所作を子供の頃からやり続けてきた動きの美しさに結構感動しまして、だから一言で言えば「美しき怪物」とでも言いましょうか。
 
海老蔵:ありがとうございます。(照れる)
 
クララ:今回初めて日本の映画に参加しましたが、本当にみるもの全てが私にとって新しいものでした。その中で海老蔵さんは、私のことを快く受け入れてくださって、とても気楽に演技ができるようにして下さって、温かくて、優しい人という印象です。特に普段の撮影以外のときは本当に優しかった。でも、一旦撮影に入ると目の色が変わり、本当に真剣そのもので、指導も沢山して頂き、素敵な先輩と言う感じですね。今まで共演した方の中では最高の俳優です。
 
海老蔵:カムサハムニダ(笑)
 
クララ:Perfect!
 
中谷:今日は随分と汚名返上できたのではないでしょうか(笑)「平成の狼藉者」とわたくし戯言を申しましたが、お昼間、撮影に向かわれる海老蔵さんは大変真面目な方でいらして、役柄に真摯に向き合われ、そう!「15分前行動」をなさるんですよね。スタッフや私たち共演者も慌てふためき、監督もまだ準備が出来ていないと慌てふためくほど、海老蔵さんは前々から万端に準備し、撮影に臨まれるので、本当に現場を引っ張って頂いたなと思います。やんちゃなところも見せつつ、仕事に対し、また利休を演じるにあたって、様々なお道具の勉強もなさいましたし、もちろんお茶のお稽古もされ、その点では本当に尊敬しております。
 
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海老蔵:ありがとうございます。(照れる)
(監督が話し始めようとすると、恥ずかしそうに)
 
海老蔵:やめようよ、これ。やめよやめよ。なんだか恥ずかしいわ(と大照れ)
 
監督:もう皆さん言っていることがずばりだと思うんですが、少年のように真っ直ぐで非常に情熱的。その思いが現場に伝わってきて、僕らやスタッフも突き動かされるという、そういうエネルギーを持ったとてつもない男ですよ。そういうことを感じる現場でしたし、そういう人です。はい。
 
共演者、監督の話に終始照れくさそうな海老蔵さんでした。
 
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 中谷演じる宗恩とクララ演じる高麗の女と関わった女性については「男性には計り知れないものがある」と女性の難しさに戸惑いを隠せない海老蔵さんを他のキャストの皆さんや監督がニヤニヤと楽しそうに笑って見ているというあたたかい会見になりました。
 
今回、会見場となった目黒雅叙園では文化財である百段階段と映画『利休にたずねよ』との特別企画展も開催される。
 
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続いて、丸の内TOEI①にて行われた「完成披露“おもてなし”試写会」では、客席後方より登場の市川海老蔵、中谷美紀、伊勢谷友介、川野直輝、田中光敏監督に場内大拍手と主演の市川海老蔵の屋号の「成田屋~!」の掛け声が何度もかかりました。まず来場の観客に「父との最後の共演ということもありまして、大変思い出に残る大切な映画の一つになりました。いい映画だと思いますので、ゆっくりと最後まで楽しくご覧頂きたく、ご堪能ください」と挨拶した海老蔵さん。
 
おもてなし試写会に先駆けて、カナダのモントリオール世界映画祭で「最優秀芸術貢献賞」を受賞したトロフィーをキャスト、また観客にもご覧頂こうということで映画祭に参加した中谷さんから海老蔵さんへトロフィー授与すると感慨深そうにトロフィーを見つめながら「日本の映画の中で千利休の美を監督、スタッフと作った映画の美というものがこのような形なったというのは、日本の美が、モントリオールの、また世界の方々に海を越えて理解して頂けたんだなぁと思うしだいです。尚一層こういった日本の美しさ、美意識がある国と再確認させて頂き、またこの映画を観に来て頂いて、感じて頂ければ、我々作った側としても嬉しい限りでございます。そんな感じでいいっすか(笑)」と感動を恥ずかしそうにはぐらかし感想を述べました。
 
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 ――撮影時のエピソードは?
 
川野直輝:海老蔵さんに所作を指導して頂いたことが印象に残っています。
 
海老蔵:袈裟を着けていると、立ち座りが難しいので。
 
川野:そうです。何度も立ち上がれず、指導して頂きました。
 
中谷:海外では合わなければ途中退席もあるというのに、モントリオールでは1400名の観客が誰一人退席することなく、緊迫した空気の中、すすり泣きもあり、そんな体験ができたこと、そしてこの映画の美が世界の方と分かち合えたことが嬉しかった。海老蔵さんは夜の海老蔵さんは存じ上げないのですが、昼間の撮影中の海老蔵さんは本当に真面目で、人一倍役に対する思い入れも強かったですね。
 
海老蔵:僕も中谷さんもお茶を嗜んでいますが、中谷さんは休憩時間にお茶を立てお菓子を用意し、みんなにおもてなしをしていました。僕も無理強いさせられました(笑)。所作事で少しでも袖がずれていると直すよう教えてくれたりと、支えて頂きました。本当に中谷さんが妻役でよかったです。
 
監督:様々な人たちが素晴らしい演技で支え、海老蔵さんには1年掛け出演を受け入れて頂き、千利休を作り上げてもらって、感無量です。團十郎さんに観て頂けなかったのが本当に残念です。
 
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 ――父、團十郎さんが観ていたら、どんな風に言うと思いますか?
 
海老蔵:その質問は難しいな。私自身としては父との最後の共演が映画という形でした。
私と父は舞台の上での共演、またテレビの中での共演はありましたが、映画では人生初でございまして、人生最期でございました。そうした中で体調の悪い中、南座公演から駆けつけて下さって、礼儀が厳しい歌舞伎の世界は先輩には「お願いします」と地面に正座をしてお辞儀をするわけですが、父はこの映画に限っては私海老蔵が主役ということで、楽屋入りした時にコンコンとノックして冗談半分に「よろしくお願いします」と言ってくださったのが、人間としても大変大らかで、大きな方だなと改めて父の偉大さを感じるとともに、映画をご覧いただければお分かりになると思いますが、大変リアルに「武野紹鷗」を演じてらして、武野紹鷗の膨大な資料を用意し、映画に挑んだ父でございます。最後に出てまいりますので、こちらもお見逃しなくご堪能下さい。
 
――会場の方、また全国の方へメッセージをお願いします。
 
海老蔵:今回、おもてなし試写会ということで、「おもてなし」とは素晴らしいことだと思いました。おもてなしは受け手がルール、マナーを守り、する側はそれを汲んだおもてなしをすることだと思うんです。利休が後の秀吉が辛い時に夫婦でおもてなしをするところがありますが、当時のことを考えると、とても奇抜な演出だったと思います。そのようにおもてなしは「お茶の世界」に原点があるのではと思いますし、そういうところも観て頂ければと思います。観終わって、本当にちょっとでも、ちょっとの半分でも、ちょっとの半分のちょっとでも、その半分のちょっとでも、もしいい映画だな、とか何か心に残ったら、帰って家の方々にお伝え頂ければ、そして再度劇場に足を運んで『利休にたずねよ』をご覧頂ければ、東映さんが喜ぶと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
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今回の試写会ではおもてなしとして、劇場スタッフも和装でお迎え、ご案内し、ロビーに海老蔵さん愛用のお香「伽羅」を焚き、池坊協力による生花も展示されました。一輪咲きのつばきが蕾だったのは、利休が命の芽吹き、旬を先取りして、お客様に寒い冬の間に春の予感を感じていただくためとのことで、試写会最後のおもてなしとしては、実際に利休が秀吉を招きもてなす際、満開の桜で茶室の天井にうめつくすように飾り、桜一色でもてなしたことから、「さくら吹雪」舞い散る中で観客と共に写真撮影が行われました。 
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『利休にたずねよ』
出演/市川海老蔵 中谷美紀/市川團十郎[特別出演]/伊勢谷友介 大森南朋
成海璃子 福士誠治 クララ 川野直輝 袴田吉彦 黒谷友香 檀れい 大谷直子 柄本明 伊武雅刀 中村嘉葎雄
原作/山本兼一「利休にたずねよ」(PHP文芸文庫)
監督/田中光敏(『精霊流し』『火天の城』 脚本/小松江里子 音楽/岩城太郎
配給/東映 www.rikyu-movie.jp ©2013「利休にたずねよ」製作委員会
 
12月7日全国公開中!
 
いま話題の映画 文化財によみがえる
映画「利休にたずねよ」×百段階段 特別企画展 開催
 
■展覧会名 目黒雅叙園 創業85周年特別企画展 映画「利休にたずねよ」×百段階段
■開催期間 2013年11月26日(火)~2014年1月13日(月・祝)会期中無休
■開催時間 10:00~18:00(最終入館17:30)
■会場 目黒雅叙園 東京都指定有形文化財「百段階段」
■入場料 1,200円 前売り 1,000円 学生600円 ※小学生以下無料
■お問い合わせ 03-5434-3140(10:00~18:00 営業部)
(主催)目黒雅叙園(企画協力)「利休にたずねよ」製作委員会・宮本まさ江
(後援)目黒区・めぐろ観光まちづくり協会(協力)株式会社井筒企画・株式会社ひなや
※本展覧会では映画本編の上映はございません。 

 

 


 

 

 

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